アンドラーシュ・シフ, 静寂から音楽が生まれる
静寂から音楽が生まれる
アンドラーシュ・シフ (著), 岡田 安樹浩 (翻訳)
目次
日本語版に寄せて
第1部 音楽と人生 マーティン・マイアーとの対話
音楽と演奏解釈、レパートリー、作品と作曲家、ハイドンとベートーヴェン
楽器の秘密、室内楽の魅力、何のためのレッスンか、ビジネスと批評
人生行路、子供時代、ピアノとともに、リスト音楽院
チャイコフスキー・コンクール、キャリアを積む、西側へ、その後
第2部 ピアニストは考える エッセイ集
ウンガルン――ウンゲルン(好ましからざるハンガリー)
誰がイェルク・ハイダーを恐れているのか
現代のピアノで弾くバッハ
ペダルなしで、しかし多彩さをもって………バッハの《平均律クラヴィーア曲集》
バッハの《ゴールトベルク変奏曲》ガイド・ツアー
回顧と展望………バッハの《六つのパルティータ》
ユーモアは冗談にあらず………ハイドンへのオマージュ
モーツァルトのピアノ協奏曲………オイゼビウスとフロレスタンの手法による学生と演奏者に対する提言
モーツァルトのピアノ協奏曲へのカデンツァとアインガング
モーツァルトのピアノ協奏曲イ長調KV四八八………ファクシミリ版への序文
ある登山者の考察………ベートーヴェンのピアノソナタについての余念
「純粋な情報源だけから」………ベートーヴェンの《ディアベリ変奏曲》についての問答
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲作品一三二………ファクシミリ版への序文
ある改宗者の告白………ハンマーフリューゲルで弾くシューベルト
シューベルトのピアノ三重奏曲 変ホ長調………ファクシミリ版への序文
フェーリクス・メンデルスゾーン………一つの意見表明
天国(エリュシオン)のローベルト・シューマン氏に宛てて………ドレスデン(とライプツィヒ)からの手紙
ドヴォジャークのピアノ協奏曲………ファクシミリ版への序文
ピアノを弾くベラ・バルトーク
パール・カドシャ………わが師へのささやかなオマージュ
世界最高のピアノ………ジェルジュ・クルターグの思い出に
フェレンツ・ラドシュの八〇歳の誕生日に
アルベルト・シモン
アニー・フィッシャー
ジョージ・マルコム
シャーンドル・ヴェーグ
ルドルフ・ゼルキンの思い出
なぜ自筆譜が必要なのか………シュテファン・ツヴァイクの思い出に
音楽コンクール………芸術なのか、スポーツなのか
何がドイツの演劇を駄目にしてしまったのか………原作者擁護の試み
アンドレア・バルカ………ある人物の経歴
コンサートの聴衆のための十戒
付言………アンコールとして
訳者あとがき
コンサートの聴衆のための十戒
1. 咳をしたり、声を上げたり、喉や鼻で雑音をたてたりしてはなりません。
2.音楽の最中は口をつつしむこと、おしゃべりをしてはなりません。
3.プログラムの解説を演奏中に読んではなりません。
4. のど飴やトローチなどの包み紙を剥いてはなりません。
5.ホールから出てはなりません、音をたてて扉を閉めてもなりません。
6. 一緒に歌ったり指揮したりしてはなりません。それはあなたの仕事ではありません。
7.楽譜を追いながらコンサートを聴きたければ、ページは慎重にめくること。
8.演奏家の姿を写真におさめようとしないこと、特にフラッシュを用いてそれをしないこと。
9.許可なく、すなわち、すべての参加者に承諾を得ることなしに録音をしないこと。加えて、携 帯電話やカチカチ・ピッピと音の鳴る腕時計はスイッチを切っておくこと。
10.拍手をするのが早すぎてはなりません。