沖大幹、水危機ほんとうの話

水危機ほんとうの話  沖大幹 ()

2012/6 新潮選書

 

目次

まえがき P9

第一章 水惑星の文明 P19

  乾燥地にあった四大文明、地球は水の惑星なのか? 地球の水はどこにあるのか、

  水の惑星でなぜ水が足りなくなるのか? 循環する水資源は無限か?

  高い水・安い水、いったいどのくらいの飲み水が必要なのか? 健康で文化的な生活に必要な水―生活用水、生産のための水―工業用水、食料のための水―農業用水、

  水と光合成

第二章 水、食料、エネルギー P83

  世界の水危機、水ストレスとは何か? 仮想水貿易とは、仮想水貿易は世界を救うのか? 仮想水貿易の推計と日本、工業製品を作る水は輸出超過ではないのか? 

  空気の次は水に課金される時代に? 水と食料とエネルギーのネクサス

第三章 日本の水と文化 P141

  日本は水に恵まれた国か? 日本と世界の豪雨、日本は地震国か洪水国か?

  日本には国際河川がないから水をめぐる争いはないのか? 

  日本は大量の水の輸入国か? 日本はダム大国か? ダムは諸悪の根源なのか? 水は誰のものか? 日本の水需給のこれまでとこれから

第四章 水循環の理(ことわり) P191

  木を植えると山の水源が保全されるのか? 洪水はなぜ起こるのか?

  水と水害、洪水被害を軽減するには、100年に一度の洪水とは

第五章 水危機の虚実 P230

  世界の水は枯渇するのか? 瓶詰水輸入の功罪、

  水マネジメントの民営化と水紛争、地下水の枯渇、なぜ気候変動問題なのか?

第六章 水問題の解決へ向けて P274

  人口降雨―現代の雨乞い、雨水利用―水の地産地消、海水淡水化は万能か、

  水をきれいにするのは水を造ること、節水、統合水管理とは、

  水をめぐる世界の政府の対応、水ビジネスは世界を救うのか、

  水問題解決へ向けて市民として何ができるのか?

あとがき P309

参考文献、図表出展

略語一覧

索引

 

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以下は、読みながら、キーワードや、連想をメモした、備忘録。

 

シンガポール・ニューウオーター

 

退耕還林、黄河の断水は、灌漑が広がったことが原因らしい。

 

川島博之「食糧自給率」の罠、輸出が日本の農業を強くする。

昭和59年から61年、1俵の買い取り価格は18,668円。最高値

 

沙漠化:砂でなく、沙を使うのが和辻哲郎著「風土」と同じ。

風土には、イタリアのポー川の洪水が書いてある。

リゾット(イタリア)、パエリア(スペイン)はお米の料理。苦い米(映画)

 

水の政治学「Hydropolitics」、

ハーモン・ドクトリン(19世紀の米国司法長官のドクトリン)

 

ミネラルウォーターショック

1990年国民一人当たり年間1.6リットル

2010年国民一人当たり年間19.8リットル

 

人工降雨:フィリピンの水法には書いてある。筑波の北に、雨乞いの「雨引観音」がある。

 

加藤尚武著「環境倫理学のすすめ」、水ビジネス国際展開研究会報告書

服部聡之著「水ビジネスの現状と展望」

 

水道料金は、逓増制、従量制。さて、電気料金は?

 

研究とはどういうことか、理解させてくれる本。

沖縄の屋根にあった、まるいタンクを見なくなった。

淡水レンズ:セブのマクタン島にあった。

 

日高義樹のワシントン・リポートのように、省末にまとめが書いてあって頭の整理ができる。

 

先日富山に行くときに通った、北越急行線鉄の十日町橋鉄橋からみた信濃川には、水が流れていた。40m3/s程度のようだ。

 

Great Stink:19世紀のテムズ川

マニラのパッシグ川は、マラカニアン宮殿が面している。

エストラーダ氏は大統領時代、パッシグ川を巨大なセプティックタンク

と言っていた。これからマニラ・ウオーターが下水道整備をやろうとしている。