中尾忠彦、河川工学の基礎と防災
「河川工学の基礎と防災」を読みました。(2014/10/27 (月))
中尾忠彦著、気象ブックス040 成山堂、平成26年9月28日初版発行
目次:
第1章 河川工学の役割
第2章 降った雨が海に流れるまで、河川の水文学と水理学
第3章 川を知る水文観測
第4章 川のグランドデザイン
第5章 水流を制御する河川構造物
第6章 洪水防御計画の考え方
第7章 洪水予測、予警報と洪水ハザードマップ
第8章 河川の機能を維持・保全する。
以下感想です。
第1章では、明治の河川法(河川工事法ともいうべき)と昭和、平成の河川法が手際よく述べられていること。
第3章の表3.2「川の防災情報」で公開されている観測データでは、日本は沢山の観測所があること。
諸外国の地上雨量観測所は以下のようであることを連想。
第4章では、霞堤の機能に付いて再思考を促されること。
現在英訳準備にかかっている、「多自然川づくりポイントブックIII、川の営みを活かした川づくり ~河道計画の基本から水際部の設計まで~」の思想が活かされていること。
第5章では、小貝川の樋管の箇所からの決壊や、大河津分水の可動堰の倒壊を連想。
第6章の放水路、捷水路のところでは、大河津分水(放水路)は、10キロかたや、信濃川下流本川は60キロ。勾配の違い、土砂の堆積・浸食のこと連想。
第7章の表7.1「洪水予報・水防警報の概要」では、気象庁、水管理国土保全局、都道府県の関係の入れ子が複雑なこと。
全体を通して、わたしも修士の学生に河川構造物に付いての講義を持っており、またその他、各種トレーニングに参考になります。
などなど、多くの事を考えさせられました。