野火止用水 ―歴史と清流復活の讃歌―

野火止用水 ―歴史と清流復活の讃歌―、斉藤利夫・大谷希幸著、有峰書店新社、平成2年4月10日。を小平市図書館から借りて読み始めました。読みやすい地域研究の本です。
野火止用水は、昭和48年(1973)に汚染が激しくなったので通水中止、昭和59年(1984) 8月21日に下水処理水を流すことで、清流復活とあります。玉川上水も同時期に通水停止し、昭和61年(1986)8月に復活しているそうです。
>東京都による「清流復活事業」は、水利環境の変化により水を失ったかつての川や用水路に、下水処理水などを放流することによって、水辺としての水流を復活させようとするもの。
を知りました。

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埼玉県新座市の平林寺や、そこにお墓のある玉川上水や野火止用水の建設を推進した松平信綱(知恵伊豆)のことが紹介されています。先月、平林寺に行っていますので、すっと頭に入ります。平林寺の森を残すために多くの努力がなされたことが書かれています。
良い本を書いていただけたと思います。土木学会では、土木史の活動がありますが、いままで玉川上水のことをあまり聞いたことがありませんでした。江戸の水道史には、欠かせないもので、おそらく多くの研究がなされていることとは思います。

目次
第1章 野火止用水序曲(3世紀を経た文化遺産)
第2章 知恵伊豆(戦乱の島原、幕政支えた新官僚)
第3章 野火止用水以前(玉川上水)
第4章 野火止新田と用水(新田の夜明け、野火止用水物語)
第5章 平林寺(信綱の記念碑、嵐に立つ丘)
第6章 清流よ再び(さようなら用水、水辺の復権、環境保全の下で)