地域再生の失敗学 光文社新書 2016.4
地域再生の失敗学 、飯田 泰之, 木下 斉, 川崎 一泰, 入山 章栄, 林 直樹, 熊谷 俊人、
光文社新書、2016/4/19
論点がたくさんあります。以下目次
目次:
はじめに 飯田泰之(明治大学政治経済学部准教授)
第1章 経営から見た「正しい地域再生」
木下斉(エリア・イノベーション・アライアンス代表)
イントロ:
いかにして「稼げるまち」にするか、
対談:
ゆるキャラは「まちおこし」ではない、 どこでも似たようなイベントが行われるワケ、
まちは路地裏から変わる、 サプライチェーンを長く持つ、
競争意識とコスト感覚の欠如 域内で内需拡大と資本を回すのが第一
チェーン店が抜けたあとには何も残らない、 小さな事業を集めて強くする
プレーヤーに必要な資質、 行商と貿易黒字
「支援」よりも「緩和」を、 今あるものを捨てる根性
ソフトランディングのための意識改革
第2章 官民連携の新しい戦略
川崎一泰(東洋大学経済学部教授)
イントロ:
地方再生のために自治体はどう変わるべきか、
講義:
「地域経済学」とは? 、 国も地方も将来世代からの前借に依存、
増税するインセンティブがない、もっともリーズナブルな自治体経営ができる規模とは?
「自治体消滅論」の前提、 産業関連票とは何か
公共投資は東京と地方の格差を是正しなかった、 民のノウハウを公共サービスへ
PFIという名のローンの横行、 人々はなぜ「まちなか」に行かなくなったのか。
海外で行われている官民連携の手法、 公共交通を税で賄う
税源の国際比較、 適正な負担を受益者に求めるべき
対談:
望ましい人口密度とは、 公共による「借金の付け替え」
補助金依存を脱却するためには、 結局はリーダーシップを執れる人がいるかどうか。
地方の税収を増やす改革が急務、 ふるさと納税は地方を救うのか
第3章 フラット化しない地域経済
入山章栄(早稲田大学ビジネススクール准教授)
イントロ:
ますます重要になる「信頼」と「人間関係」、
講義:
世界はフラット化しなかった 、 多様な人と出会う非公式な場の重要性、
ギザギザ状になった世界、 シリコンバレーの投資家を京都へ
「誰が何を知っているか」を知ることの重要性、 ビジョンは経営者の顔
地方都市とイノベーション、
対談:
東京は人の集積を生かし切れていない、 海外で勝てば一気にジャパンブランドに
オフィスはフラットに、 都市にはわかりやすいシンボルが必要
第4章 人口減少社会の先進地としての過疎地域
林直樹(東京大学大学院農学生命科学研究科・特任助教)
イントロ:
「自主再建型移転」とは何か、
講義:
「過疎」を測る五つの指標、 高齢化率予測のショッキングな数字、
選択肢を持つことの重要性、 「中山間地域」とはどんな場所か
移転したほとんどの人が満足、 自主再建型移転はなぜ消えたのか
誤解されているデメリットもある、 放置すると山は荒れるのか?
民族知の種火を残すための拠点、 移転は「敗走」ではないという意識が重要
集落が維持可能な産業とは、 「穏やかな終末期」も視野に
「正しい諦め」の必要性
対談:
「人口減」は絶対悪ではない、 増田レポートの陥穽
種火集落形成のための条件、 60歳前後のリーダーが最適
都市住民の「理想」を押し付けてはいけない、 次善策は嫌われる
一番守りたいものをまず決める
第5章 現場から考えるこれからの地域再生
熊谷俊人(千葉市長)
イントロ:
市町村にしかできない役割とは、
対談
100年後の都市計画は不可能 、 「全国一律願望」がもたらした交付金依存、
千葉市はベッドタウンではない、 「地域おこし」と「商売」を切り分ける
地方は「東京にないもの」を生み出せ、 「設備」から「効用」へ
役所と民間で人材の行き来がもっとあるべき、 「行きたい街」がどうかがすべて
地方に住む不便はほとんどない。