磯田道史、天災から日本史を読みなおす - 先人に学ぶ防災、中公新書、2014.11.25

 

表紙裏の内容紹介:

豊臣政権を揺るがした二度の大地震、一七〇七年の宝永地震が招いた富士山噴火、 佐賀藩を「軍事大国」に変えた台風、森繁久彌が遭遇した大津波――。 史料に残された「災い」の記録をひもとくと、「もう一つの日本史」が見えてくる。富士山の火山灰はどれほど降るのか、土砂崩れを知らせる「臭い」、そして津波から助かるための鉄則とは。 東日本大震災後に津波常襲地に移住した著者が伝える、災害から命を守る先人の知恵。

 

目次

まえがき――イタリアの歴史哲学者を襲った大地震

 第1章 秀吉と二つの地震

1 天正地震と戦国武将

   先人たちは地震発生時刻をどう測ったか、山内一豊の愛娘の死、娘の死後震災孤児を慈しむ、

 家康の生き残り作戦、地震に救われた家康、若狭湾を襲った津波

2 伏見地震が終わらせた秀吉の天下

  伏見城崩壊・多くの美女が圧死、伏見城の耐震化、上杉家・菊娘の怪力、大仏に弓引く秀吉、

 武将たちの本心・地震で露呈、豊臣政権の引き金に、

 第2章 宝永地震が招いた津波と富士山噴火

1  1707年の富士山噴火に学ぶ

2 「岡本元朝日記」が伝える実態

3 高知種崎で被災した武士の証言

4 全国を襲った宝永津波

5 南海トラフはいつ動くのか

 

第3章 土砂崩れ・高潮と日本人

1 土砂崩れから逃れるために

2 高潮から逃れる江戸の知恵

 

 第4章 災害が変えた幕末史

1 「軍事大国」佐賀藩を生んだシーボルト台風

2 文政京都地震の教訓

3 忍者で防災

 

 第5章 津波から生きのびる知恵

1 母が生きのびた徳島の津波

2 地震の前兆をとらえよ

 

第6章 東日本大震災の教訓

1 南三陸町を歩いてわかったこと

2 大船渡小に学ぶ

3 村を救った、ある村長の記録

 

あとがき――古人の経験・叡智を生かそう