ミラー和空 (著)、アメリカ人禅僧、日本社会の構造に分け入る 13人との対話、講談社、2015.7.28
ミラー和空 (著)、アメリカ人禅僧、日本社会の構造に分け入る 13人との対話、講談社、2015.7.28
を読み始めました。著者はフランス哲学勉強会で出会っていた不思議な方。なんと、オリンパスの粉飾決算解明に一役買った方でした。その後も、エアバックのタカタ、原子力発電の東電や東芝、最終検査の日産、製品検査データ改ざんの神戸製鋼と三菱マテリアル、等、つぶれそうな企業問題が続きます。日本の企業や、社会、組織はどうしてしまったのでしょう。その問題意識を著者と共有します。それぞれの当事者になったら、自分はどうか、あまりかっこいいことは言えないとの思いもあります。
著者による、オリンパス事件の3つの特徴は、
1.不祥事が発覚してからも国内の主要な報道機関が取り上げようとしなかった。
2.国内の大株主は、経営責任を追及すべく公に声をあげようとしなかった。
3.検察、警察、金融庁などの当局の反応が鈍かった。
それらは、その後の事件にも通じる気がします。
P35:玄田氏、三つの「カン」を子供時代に身につけておく必要がある。
「感」:うれしい。楽しい。悲しい。くやしい。
「勘」:自分なりの距離感、他人との距離感。失敗で得るもの。
「観」:ビジョン。どうやって前へ進むかという自分なりの人生「観」
(感と勘が、極端に鈍い、東大卒の女性に出会ったことがあります。受験教育で失うことは多いと思いました。カンを全く持たない火星人のような人だった。音痴でもあった。)
P171:ウッドワード氏、オリンパス事件では最初の投資損失時に当時の菊川社長がことを明らかにして辞めていたら、損失がここまで広がらなかった。自分の身を守ろうとしていた面がおおいにあった。
目次:
【対談相手】
玄田有史(東京大学社会科学研究所教授)
松谷明彦(政策研究大学院大学名誉教授)
佐谷眞木人(恵泉女学園大学教授)
村田和樹(龍昌寺住職)
マイケル・ウッドフォード(オリンパス株式会社、元社長兼CEO)
奥山俊宏(朝日新聞編集委員)
渡辺雅男(一橋大学名誉教授)
ピーター・タスカ(アーカス・インベストメント共同創設者・パートナー)
池西剛(陶芸家)
伊崎裕之(「アッラ クチーナ デル ソーレ」店主)
ジョン・シュック(リーン・エンタープライズ・インスティテュート会長兼CEO)
吉田善一(東洋大学教授)
藤原安紀子(詩人)