65 島田虔次著、朱子学と陽明学、岩波新書、1967.5.20
P1;北宋の張横渠(ちょうおうきょ)の有名なことば、
「天地ノタメニ心ヲ立テ、生民ノタメニ命ヲ立テ、
往聖ノタメニ絶学ヲ継ギ、万世ノタメニ太平ヲ開ク」「近思録、二」
P14:
「心ココニアラザレバ視レドモ見エズ」「大学」
P19:
「モシ古ニ聖人ナカリセバ、人ノ類ノ滅セルヤ久シカラン矣」韓愈
P22:
「古ノ明徳ヲ天下ニ明ラカニセント欲スル者ハ、先ズソノ国ヲ治ム。ソノ国ヲ治メント欲スル者ハ、先ズノゾ家ヲ斉(ととの)ウ。、、、、、、」 韓愈 大学からの引用。
P34:聖人学ンデ至ルベシ
学問を収める目的は聖人になって、世の中をよくすること。
P72:
一元は、12万9600年で、ここまでくると天地は更新する。「易」のいわゆる「窮すればすなわち変じ、変ずればすなわち通ず」
P92:
理は日常口語としてきわめて普通なことばであった。けんかの時の「そんな道理があるものか。」
P93-94:
惻隠の心は仁の端、羞恥の心は義の端、辞譲の心は礼の端、是非の心は智の端、
四つの情はそれぞれ性の内容に対応し、性のインデックスとなるものであり、けっして悪なるものではない。しかし、已発であり動であるので、とかく中正を失して悪に流れる傾向をもつ。つまり、情が動いて過度となったとき、それが「欲」であり、すなわち悪なのである。
リゴリズム【rigorism】⇒厳粛主義、厳格主義
P114:
陰陽の話に、以下を例示。分からないのを調べて見ました。
前後、始終、動静、上下、進退、往来、消長、尊卑、貴賤、
表裏、隠顕、向背、順逆、存亡、得喪、出入、
盈虚(えいきょ):いっぱいなこと、からっぽなこと。
晦明(かいめい):暗いと明るいと、夜と昼。
闔闢(こうへき):閉じること開くこと。
行藏(こうぞう):進んで道をおこなうのと、退き隠れて才能を表さないこと。
P130:
致知ということは知識を磨くということではなく、知(良知)を実現するという意味なのである。陽明学が「知行合一」と称せられるのはまさにこの点に由来する。
「知ハ行ノ始メ、行ハ知ノ(完)成」である。
真の知行「好色ヲ好ムガゴトク、悪臭ヲ悪(ニク)ムガゴトク」「大学」
享保の改革期に朱子学者の室鳩巣が江戸と火災について、水道は火災のために良くないと吉宗に答申している。出典:伊藤好一(よしいち)著、江戸水道の歴史、吉川弘文館、平成8年12月20日、第一刷発行。