木下誠也、自然災害の発生と法制度、コロナ社、2018.5.1
大学の授業15コマ分の教科書として作られたそうである。
メモ:
2019年17日、午前9時19分ごろ、鹿児島県・口永良部島の新岳が爆発的噴火を起こし、火砕流が発生した。火口から少なくとも約500メートルまで噴煙が上がったことも確認された。火砕流は居住地域には到達しておらず、噴火警戒レベルは3(入山規制)を維持した。
気象庁は噴火速報を発表した。引き続き火口から2キロ圏で噴火時に飛散する噴石、火砕流に警戒する必要がある。大きな噴石が火口から約1キロ飛散し、火砕流は南西と北西に約1.5キロ流れ出た。県や口永良部島を管轄する屋久島署によると、人的被害は確認されていない。
<日経、2019/1/17 10:11 (2019/1/17 11:23更新)>
P27:平成7(1995)年1月17日に兵庫県南部の阪神地域から淡路島にかけての六甲・淡路島断層帯の一部でM7.3の兵庫県南部地震が発生した。神戸と洲本で震度6が観測されたが、その後の現地調査によると淡路島の一部から神戸市、宝塚市にかけて震度7の揺れが起きていた。死者・行方不明者6,437人、住家全壊104,906棟という甚大な被害をもたらした。この地震によって生じた災害を阪神・淡路大震災と呼ぶ。被害額は約9兆~12兆円といわれ、ちょうど1年前の1994年1月17日にアメリカで起きたロサンゼルス・ノースリッジ地震よりも被害は多く、都市を襲ったものでは世界最大級の災害である。
気象庁が昭和24(1949)年に震度階級として震度7を設定してから最初に震度7の揺れを記録したのは兵庫県南部地震であったが、計測震度計で震度7を記録したのは平成16(2004)年10月23日の新潟県中部地震が最初である。新潟県中越地方の深さ約10kmでM6.8の地震が発生し、死者68人、住家全壊3,175棟の被害をもたらした。
P38.火山噴火の規模を表現する一つの方法として、火山爆発指数(volcanic explosivity index, VEI)がある。これは噴出物の量で規模を表現するもので、1982年にアメリカのクリス・ニューホール(Christopher G. Newhall)とステファン・セルフ(Stephen Self)により考案された。0から8に区分され VEI=0 は噴出物の量が10^4m^3未満で、VEIの値が1上がるごとに量は10倍になる。VEI=8は噴出物の量が10^12m^3以上の爆発を指す。
P111, 市町村長などに対する応援について、市町村長などは「都道府県に対し、応援を求め、又は災害応急対策の実施を要請することができる(災害対策基本法68条)」とされており、また「都道府県に対し、自衛隊法第83条第1項の規定による要請をすることができるよう求めることができる」とされている。
<目次>
はじめに
第I部 自然災害の発生と対策
1. 近年の自然災害 P1
2. 地震と津波の災害 P9
3. 火山噴火 P35
4. 洪水と高潮の災害 P49
5. 土砂災害 P78
6. 渇水などの水問題 P84
第II部 災害と法制度
7. 災害法制の歴史と現状 P95
8. 災害に備える法制度 P115
9. 災害対応のための法制度 P155
10. 災害の復旧,復興のための法制度 P160
引用・参考文献
おわりに